経営をはじめて3年半。長かったような短かったような。濃密な時間を過ごし、日々学びのある生活を送れている。そして旅行中にもこんなことを考える脳になってきました。
観察
モロッコの北部山奥にあるシェフシャウエン。青い町シャウエンとして有名になり自分も2泊3日滞在した。この町にある商業施設は基本的には3つ。宿屋、土産屋、食べ物屋だった。それに付随する形でタクシー、案内人、トルコ風呂などの商売がある。基本的には観光客相手のナニカしかなかった。そしてその観光客はみな2.3日でこの地を去る。
深掘り
SNSで爆発的に人気が出た観光地だが、ただ綺麗な写真が撮れるというだけで人気なだけではないはず。
人気の理由その1
例えばシャウエンがただの人工物として自分の地元千葉県浦安市に突如出現したとしてもあまり人気は出なかったと思う。
ただの人工物として人を呼ぶには、ドバイやシンガポールにあるモノのようにもっと巨大で人を圧巻させられないといけないからだ。
それと比べるとシャウエンの町並みは30分あれば回り切れてしまうほどの大きさで、3時間ほどすれば町が青いのにも目が慣れてしまう。
だからただ青いからというよりはもともとそういった文化で町が青いと言うのが重要なんだと思う。
人気の理由その2
例えばシャウエンが空港のすぐそばにあったらどうだろうか?ここに2.3日も滞在する人がいるのか?空港のすぐそばにある観光地で有名なのがイタリアにあるベネチア。ベネチア空港から島まではバス、電車で20分ほどの距離にある。
ベネチアの大きさは414.6㎡ある。かなりでかい。東京ドームの約830個分もある。
シャウエンの町で青いところだけならば東京ドーム1個分くらいなもので0.5㎡にしかならない。空港から20分の距離にあったら間違いなく2.3日滞在する人は少なく見積もっても半減するだろう。そうすれば商業施設も半減し、経済効果も半減する。だから行きにくいところにあるという秘境感からの経済効果も計り知れないと思う。
仮定
なので自分が思うシャウエンの人気の秘密は
昔から受け継がれる文化
行きにくいという秘境感
この2つが相まってると感じた。
綺麗な写真が撮れるとかこの景色を見てみたいと思わせるレイヤーの下にはこういった感情があるのだろう。
似たようなモデル
そういった人工物+文化+秘境感という意味ではペルー/マチュピチュとかも似たスポットなのかもしれない。是非行ってみたい。今対象として見ているものが何と似てるのかとか、今までに似たようなものに触れたことがないかと想像するのは多角的にみるために大切なことだと思う。
0-1ベース、ローコスト
もしここで観光客相手のナニカをすることになったら何をするだろう?とか観光しながら考えた。
巨大資本があれば、土地を買い美観地区としてより整備し長きに渡り観光客を呼び寄せられる町を維持したり、一望できる山頂までケーブルカーを作ったりするのだろうか?
しかし自分の持っているビジネス脳は巨大資本を使うものではないので、もう少し規模感を小さくして考えてみた時に、すごく面白いものがあった。
それが、圧倒的に写真を撮りやすい綺麗な空間を作る。というもの。
シャウエンの人たちは、あまり観光客が来ることをよく思っていないように見えた。客商売をしている人たちはウェルカムな感じだったが、街の住民たちは明らかに観光客を嫌がっていた。至る所で写真に撮られたことを怒っている人がいたり、おはよう、こんにちはと声をかけても舌打ちをしてくる人などもいた。
そして、町中観光客だらけだからゆっくりと写真が撮れないし、どうしても多くの人が写り込んでしまう。
この2つを逆手にとって、自分の家の玄関の横(約3畳のスペース)を整備、装飾を施し、観光客に綺麗な空間と誰にも邪魔されないゆっくりと写真を撮れる時間を提供しているのだ。それは約2.3分程でDH5(¥55)を生み出す。誰にも邪魔されないもこんなにもすぐ撮り終わるのかと驚いた。そして持ち家であれば維持費もほぼかからずに子供がお金を払うのをみてるから人件費もかからずに済む。
¥55なんて安すぎると思うかもしれないが、隣のお土産屋さんではこの可愛いポーチがDH10(¥110)で売られている。在庫を大量に抱え管理者を雇うこともなく済み、万引きなどで損害が出ることもない。
そしてそのお店のおじさんと子供は自分たちの写真を撮ることに関してはきっぱり断る。
もしその空間提供サービスがダメになってしまっても家の横が綺麗になっておしまいになるだけでほとんどリスクもない。
そしてその約3畳のスペースを使ったビジネスは今世界的に有名な写真のスポットとなり話題になっている。
ビジネスとはアイディアなんだと教えてもらった。時代の流れのXに、自分のできることのYが上手いこと重なっていた。
コメント